日本代表の長友佑都選手のパーソナルトレーナー・木場克己氏と、サカイクでもおなじみ、メンタルトレーニング・コンサルタントの大儀見浩介氏が「いま一番受けたい授業 フィジカル×メンタル」と題したコラボセミナーを行いました。
会場となった「新宿鍼灸柔整専門学校」には、フィジカルトレーナーの卵や柔道整復師など多くの方が詰めかけ、熱気あふれる中でトークセッションがスタートしました。
まずは木場氏が長友選手とのエピソードから、いまや彼の代名詞となった「体幹トレーニング」の話について紹介します。
■長友選手のトレーニングのポイントは『柔軟性、バランス、瞬発力』
もともと、木場氏と長友選手が出会ったきっかけは、明治大学時代に長友選手がヘルニアになったことからだったそうです。高校時代から、体幹を中心に筋トレをしていた長友選手。しかし、当時は筋肉の柔軟性が乏しく、腹筋・背筋と比べると、お腹の横の筋肉と身体をひねる筋肉とのバランスが悪かったと言います。そこで、まずは身体のバランスを整え、柔軟性を高めることから始めたそうです。
「長友選手のトレーニングのポイントは3つあります。1つめは柔軟性です。筋肉に柔軟性をもたせることで疲労しにくく、ケガの予防にもなります。そして2つ目はバランスです。身体の軸をブレないようにするためには、安定した体幹が必要です。腹筋・背筋だけでなく、お腹の横の筋肉など、バランスよく鍛えることがポイントになります。そして3つ目は瞬発力。腹筋と足を引き上げる筋力を連動させることで、瞬発力が生まれます」(木場氏)
そう言うと、木場氏はひとつのプレーを例にあげました。それはアジアカップ決勝のゴールシーンです。李選手のボレーシュートは、長友選手の正確なクロスが生んだものでした。
長友選手は延長後半終了間際という、疲労がピークに達する時間帯にも関わらず、相手DFを爆発的な瞬発力でかわし、左足で正確なクロスをあげました。ボールを蹴った後も、身体が倒れることなく踏ん張れていたことから、一連の動作をする中で体の軸がぶれていなかったことがわかります。
取材・文・写真/鈴木智之